ツインエンジンの面白さ

注:エンジンの話なのでちょっと難しいですし,興味がない方にとっては多分全然つまらないです。(-_-;)


皆さんはバイクのエンジンはどのタイプが好みですか?

私が若い頃は多気筒信仰というものがあって,単気筒より2気筒,2気筒より4気筒が人気がありました。

3気筒を造っているのはトライアンフくらいしかなかったので,マイナーでしたし(国産メーカーも少し造っていましたがやはりマイナーでした),単気筒はマニアな人が乗っているバイクというイメージで,主に2気筒と4気筒が市場を賑わせていましたが,2気筒は廉価版みたいな扱いでした。(-_-;)

なんと,アメリカン(今で言うクルーザー)でさえも4気筒が人気で,2気筒は人気薄だったんです。

その頃を知っている世代から見ると,今は色々なエンジンがそれぞれの魅力を発揮していて,周りに左右されずに自由に選ぶことができる,良い時代だなぁ…と思います。

(2サイクルエンジンのバイクに乗れなくなってしまった点は残念ではありますが…。パパン,パパン…という2サイクルエンジンの音,懐かしいですねぇ。)

色々なエンジンの形式の中でも,2気筒(ツイン)エンジンは,その中に様々なバリエーションがあって,とっても面白いです!

パラレルツイン(並列2気筒),Vツイン,Lツイン,Yツイン(縦置きVツイン),ボクサーツイン(水平対向),などなど。

パラレルツインには,360°クランク,180°クランク,270°クランクなどのクランク位相角があります。(KTMの75°クランクなんていう変わり種もあります。)

レシプロエンジンは左端の図のようにピストンの上下運動によってクランク(下の丸い部分)を回転させることによって回転運動を得ます。

パラレルツインの場合はピストンがこの図のように2つ並ぶ形で配置されている訳ですが,2つのピストンが上下するタイミングが,このように色々あるんです。

360°クランクの場合は,2つのピストンが同時に上下します。(着火は順番)

180°クランクは2つのピストンの1つが上死点(一番上)に達した時にもう1つが下死点(一番下)になって,規則正しい左右バランスです。

270°クランクは,ちょっと分かりにくいですが,左右のバランスがずれているということは分かるでしょうか?

規則正しいことが好きな人にとっては,270°クランクはこんな不規則な動きで良いんかい?と思うかも知れませんが,今のツインエンジンの主流は,実は270°クランクなんです。

この不規則な爆発(着火)によって,リヤタイヤにグンと力がかかる時と,力がかからなくて惰性で回っている時が分かり易く,これがトラクションを感じるという,いわゆる味になります。

路面を蹴るような感じを味わいながら走ることができます。

270°クランクの代表格は,ヤマハのMT-07です。

360°クランクで有名なのはカワサキのダブル650,800です。

360°クランクは昔から用いられている伝統的なスタイルのエンジンで,低速のトルクを出しやすい性質ですが,T-MAXのようなスポーツバイクにも用いられていますし,車でもスポーティーさで有名なフィアットのツインエアエンジンは360°クランクのツインエンジンですので,技術の進歩によってオールマイティなエンジンになっているんですね。

180°クランクはカワサキのNinja650などで使用されていて,高回転域が美味しいこのエンジンを生かした走り味になっています。

このように,同じパラレルツイン(並列2気筒)でも,クランク角によって味わいや特性が全く異なるエンジンになります。

パラレルツインの良いところは,部品点数が少ないので製造コストを安く出来ることと,コンパクトなエンジンにできるので搭載位置に自由度があることです。

一方,その構造上,どうしても横幅が広くなってしまうという弱点があります。(もちろん3気筒や4気筒に比べれば決して広くありませんが…。)

そこで,Vツインエンジンの登場となります。

Vツインは,ピストンは2つありますが,クランクは1つしかないんですよ。

写真だと分かりにくいかも知れませんが,シングルエンジンのクランク軸にもう1つピストンを付けたと思っていただければ良いです。

ピストンがV字に異なる方向に向かって上下運動をするので,同じクランク軸なのに爆発タイミングが異なることになります。

90°Vツインだと燃焼間隔(爆発のタイミング)が270°クランクのパラレルツインと同じになります。

パラレルツインの横幅が広くなると書きましたが,Vツインの場合はシングルエンジンと同じ幅にすることができます。

ヒラヒラと連続コーナーを駆け抜けることのできるバイクが,シングルでなくツインで造れることになります。

しかも,90°Vツインは理論上振動がないというおまけつき!

余計な振動なしで,シングルエンジンと同じ幅で,270°クランクのパラレルツインと同じトラクションと鼓動感を味わうことができるエンジンなんです。

90°Vツイン恐るべし!完璧じゃん?と思いますが,弱点がないかというとそうでもなく,横幅を狭くできる代わりに長さ(前後長)が長くなってしまうんです。

エンジンの搭載位置も必然的に決まってしまい,デザインの自由度や重心位置の最適化という点では難しさを抱えることになります。

そこでDucatiでは,前後長を少しでも短くするために,Vツインエンジンを前に倒して前バンクをほぼ水平にしたLツインを考え出したという訳です。

ほらっ,この図だと分かり易いですね。

ただ,この図の赤い□の形を見ると分かると思いますが、前後を短くできる代わりに高さが高くなってしまうんですよね。

なかなかうまくいきません。(-_-;)

でもそれで省スペースで高剛性を得られるトレリス(トラス)フレームが考え出されたりと,副産物も得られたのですから,良しとしましょう!

ちなみに,モトグッツィのYツイン(縦置きVツイン)やBMWのボクサーツイン(水平対向)も,それぞれ長所と短所がありますが,各メーカーが様々な技術とアイデアでより良いエンジンにする努力を払っているので,現行車にも採用され続けていて,味わいのあるエンジンとして評価されていますね。


2サイクルエンジン無き今,一般的なエンジンとなっている4サイクルエンジンの構造を見てみましょう。

この図では,右側が吸気ポート,左側が排気ポートです。

1.吸気→2.圧縮→3.燃焼→4.排気 の4つのサイクルで1行程になるので,4サイクルエンジンと言います。

この間にピストンが2往復,クランクで言うと2回転(360°×2=720°)します。

排気が終わってピストンが上死点にある時のクランクの角度を0°として,吸気をし終える時が180°,圧縮し終える時が360°,燃焼(爆発)してピストンが下死点に来た時が540°,排気し終えてピストンが上死点に来た時が720°であり次の行程の0°になります。

パラレルツインのクランク角は,1つのピストンが3の燃焼(540°)の時にもう1つのピストンが何度の位置にあるかを意味します。

ちょっと難しいですね。

分からなくても全然問題ありませんのでご安心ください。

色々なバイクに乗ってみて,自分はどのタイプのエンジンが好きなのかが分かればそれでOKです。

せっかく色々なエンジンがあって,それぞれに味わいが異なるので,どれが自分に合っていて,どの味が一番好きなのかは確かめたいですね。

今回はツインエンジンだけを取り上げましたが,もちろん,シングルが好きという人もいるでしょうし,やっぱり4気筒のフォーンという音が好きという人もいると思います。

中途半端さがたまらない!…という3気筒好きもいるかも知れません。(笑)

実は,私は,どれも好きです。(贅沢)(爆)


ドゥカティのLツイン


BMWのフラットツイン

縦置きエンジン(エンジンはクランク軸の向きで縦横を言います。)の場合はクランク軸の回転方向に合わせて,シャフトドライブを使用する場合がほとんどです。(BMW,モトグッツィ)

アクセルをふかすと,車体が横に傾く方行に力が働き,これもまた味となります。(回転方向と逆に反力が生じるため…。)

そのため,昔は右と左で曲がり方が違う…と言われていましたが,今はそんなに気にするほどではありません。

空ぶかしした時には顕著にでますので,立ちごけに注意ですが…。

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