トヨタ クラウン ロイヤルサルーン プレミアム (17系)
「クラウン・セダン(たち)」にも記していますが,私,クラウン・セダンが大好きなんです。
15系まではクラウン・セダンだけがセダンで,それ以外のクラウンはハードトップだったんですが,17系からはハードトップをやめて全てのクラウンがセダンになりました。
2001年からの10系クラウン・セダンは,名前はクランですが,X80マークⅡがベースのコンフォートの装備をちょっと豪華にしただけの車になっちゃいましたので,クラウン好きが言うところのクラウンとは全く別物です。
10系はタクシーに多く使われていますので,タクシーに乗ってみれば乗り心地を確認できますが,乗ればすぐに,これはクラウンではない!と分かります。
私は本当は15系クラウン・セダンのフワフワの乗り心地が好きです。
アメ車っぽいんですよ。
足のフワフワ感,トルクフルなエンジン,イージードライビング,どれも今のアメ車が失ってしまった,往年のアメ車の味そのものなんです。
最近は,アメ車と聞くとあまり良いイメージを抱かない人が多いですが,昔はみんなアメ車に憧れていました。
今では人気のベンツやBMWやジャガーなんかよりも,ずっとずっと格上で高級な車がアメ車だったんです。
※「アメ車はなぜ売れなくなったのか?」参照。
話がずれました。
17系クラウンのロイヤルサルーンは,「セダン」という名前は付きませんがれっきとしたセダンということで,買わせていただきました。(笑)
しかも,このクラウン,17系の最終の最終,最終年式の最終ロットの,限定車プレミアムです。
しかもしかも,走行距離が極少!
奇跡の内外装ほとんど新車状態!
このまま博物館に展示できるレベルの,いわゆるコンクールコンディションです。
クラウンで良く見るツートンカラーだと思ったら大間違い!
プレミアム専用色なんですよ。
上の白い部分はホワイトパールクリスタルシャイン、下の部分はミレニアムパールトーニングという色です。
ミレニアムパールトーニングは、カーショップではタッチアップも売ってないレア色です。
ホイールもプレミアム専用のグロスブラックのアルミですぜぃ。
ヘッドライトは当然のHIDで,オートライト付きです。
室内に目を移してみましょう。
ベージュの内装が素敵です。
フロントシートはもちろんですが,リヤシートまで電動調整式です。
助手席の調整スイッチは背もたれの運転席側にも付いていて,運転席に座ったまま手が届きますので,助手席側リヤシートにゲストを乗せる時にもスマートです。
ステアリングの調整も電動ですし,クルーズコントロールも付いてます。
更に,電動リヤサンシェードまで付いてます。
至れり尽くせりです。
こりゃぁ,限定好きにはたまりません!
17系クラウンの乗り心地はどうでしょう?
15系のようにはフワフワではなく,ちょっとビシッとしています。
同じ時代のベンツに似ていると言ったら分かりやすいでしょうか?
BMWほどは硬くなく,アメ車ほどは柔らかくない,中庸って感じです。
今となっては希少な直列6気筒のエンジンは,1Gのような滑らかさを身上とするエンジンではなく,踏めば荒々しい加速を味わえます。
直噴ですので燃費も良く,リッター10Km~11Kmくらい普通に走ります。
3,000㏄にしては十分過ぎるほど優秀です。
う~ん,流石トヨタですねぇ。
非の打ちどころがないと言うか,マイナスポイントを見つけられません。
これをもって「つまらない」と言う人が時々いますが,これって実は凄いことなんですよ。
新車からのタイヤがちょっとひび割れ始めてましたので,ピレリの新品に交換しました。
乗り心地がちょっとソフトになりました。
しかも,ホイールはプレミアム専用のグロスブラックのスポークホイールを新品(!)4本買って組み込みました。やっぱり,こういう車はノーマルにこだわりたいですものね。
新車時からのホイールにはブリザックを履かせました。こちらも特にガリ傷などありませんよ。
完璧です!
これの後の型の18系は,顧客の若返りを目標にして,デザインも丸っこくなってしまい,乗り心地も更に硬くなってしまいました。
最近出た現行型なんて,もはやクラウンとは言えない(?)デザインになっちゃいましたよね。
(でも実は,ちょっとかっこいいと思っていたりします。)(笑)
センチュリーとクラウンは日本専用車で輸出していませんので,日本人の嗜好だけを考えて作れば良い訳で,変に欧州車の真似しなくて良いんですが,日本人の嗜好が欧州車の方向に向いてしまったために,こんなことになってしまいました。
昔からのクラウンのデザインや乗り味を好きな世代はいずれ過ぎ去りますので,このままいけばクラウンの需要がなくなってしまいますのでね。
商業ベースで考えると,顧客の若返りを計ることは必然なんですね。
寂しいですが仕方ありません。(泣)
まぁ,そういう訳で,デザインや乗り味は百歩譲って許すとして,コストダウンはいただけません。
高級車部門はレクサスがありますし,センチュリーは別格として,クラウンは今や作りが高級車じゃなくなっちゃったんですね。
「いつかはクラウン」と言って皆が憧れていたころは,流石にトヨタも手抜きは一切できなかった訳ですが,最近のクラウンの立ち位置はとっても中途半端で,輸出しないので販売台数もそれほど伸びませんし,あまり気合も入らないのかもしれませんね。
トヨタは商売上手ですので,見え見えのコストダウンはしませんが,新車で買って数年乗ると分かりますよ。
18系のクラウンなんて,なんとダッシュボードがひび割れたりしてきます。
ベンツでさえコストダウンしてるので,(しかもベンツはトヨタみたいなメーカーになると宣言してからコストダウンが激しくなったので)仕方ないのですかね。
資本主義社会では企業は利益を得ることが正義ですので…。
…という訳で,17系のクランはまだまだ人気です。
周りを見てみてください,乗ってる人多いでしょ?
特に年配者にとっては,新型が若者向けになってしまって魅力的でないので,新車で買った17系を乗り換えないでずっと乗ってる人が多いんです。あの丸っこい形が嫌なんでしょうね。
年配者が乗っているパターンが多いので,なんかジジ臭いというか,オヤジ車と思われてしまうところが難点なのですが(汗),それはちょっと前のベンツなんかも同じです。
最近のベンツはスポーティーな方向に振り過ぎですよね。
乗り心地は硬いですし,タイヤが薄過ぎてちょっとしたところでもホイール擦っちゃいます。(泣)
シフトレバーなんてウインカーレバーみたいにコラムから生えてるスイッチですし…。
また話がずれました。(^^;)
何十年も車に乗ってきた年配者が良い車だと思う車は,実はどの世代が乗っても良い車なんです。
17系クラウン,年配者でなくても,乗れば良い車だと分かりますよ。
私は,まだ「年配者」ではないつもりですが,とっても良い車だと思います。
この車に乗れば,今日からあなたも「オヤジ」の仲間入りです!(笑)