T-MAX530 (SJ092)
SJ08Jの次のモデルはSJ12Jになるのですが,SJ08Jの次のモデルの日本仕様の発表が遅れたため,その間に逆輸入車が入ってきました。
それがSJ091(ABSなし)とSJ092(ABSあり)です。

SJ08Jは前から見るとドキンちゃんみたいでしたが,こちらは千昌夫顔です。(爆)

ちょっと斜めから見れば千昌夫ではありませんのでご安心ください。(笑)
少し前の頃は,日本仕様よりも輸出仕様の方がパワーがある場合が多く,しかもそのパワー差がめっちゃ大きかったので「逆車フルパワー」と言って逆輸入車の方が人気があった時代がありました。
ところが,規制緩和でパワー制限やリミッターが必要なくなり,メーカーがいわゆる日本仕様を造る必要がなくなって,日本仕様も輸出仕様もほぼ同じになったため,逆輸入車の需要がなくなったのです。
ヤマハの逆輸入車を専門に扱っていたプレストコーポレーションも,役割りが終わったとのことで2020年に事業を終了しています。
T-MAXも3代目までは輸出仕様車の方がパワーがあって,CVTの設定も国内仕様と違うため加速感が全然違っていて,特に初代と2代目は,逆輸入車の人気があって,結構流通していました。
ところが,4代目T-MAXに関しては,国内仕様も逆輸入車もパワーは同じ48PSと公表されています。
どうやらCVTのセッティングなどエンジン以外も同じようです。
違いは何かと言いますと,マフラーからの排気音の音量が,国内仕様よりも輸出仕様の方が大きいという点くらいです。
マフラーの抜けが良いということは,パワーやトルクに違いがあって然るべきなのですが,メーカーの公表値はあくまで同じとなっています。
厳密には違いがあるんでしょうが,無視できる範囲ということなんだと思います。
私がT-MAXの逆輸入車を購入したのは,そのほんのわずかなモアパワーが欲しかったからではなく,たまたまです。
そもそも公表馬力というものはあくまで目安であって,シャーシダイナモで測ると,実馬力は公表馬力より少ない車やバイクがほとんどで,同じ車種でも個体差があるものです。
なので,数馬力の差にこだわる必要は全くないんですよね。
なんとなんと,2012年モデルの2017年登録で,走行3.000Kmという上物があったんですよ。(SJ12Jは2013年発売)
バイクは車よりも,こういう面白い中古がある確率が高いですね。(車でもたまにありますけど…)
T-MAXの素晴らしさについては「T-MAX(SJ08J)」に詳しく書いてますので,そちらをご覧いただければと思います。
SJ04JからSJ08Jへのモデルチェンジの際に大幅に変更されて性能がアップしていますので,このSJ092(日本仕様はSJ12J)へのモデルチェンジは,デザイン以外はそれほど大きなものではないのですが,それでも,足周りやブレーキなど全体的に少しずつ性能が上がっています。
細かく挙げると…
・ボアを2mm拡大して530ccに
・吸気側26mm径・排気側22mm径の新4バルブ燃焼室
・軽量アルミ鍛造ピストン
・アルミ製バランサースリーブ
・樹脂製インテークマニホールド
・FIのセッティング最適化
・クラッチの容量アップ
・新設計CVT
・エンジン懸架部とラジエーター懸架クロスメンバーのチューニング
・新設計アルミダイキャストスイングアーム
・チェーンドライブからベルトドライブに
・282mmの大径リアブレーキ
・アルミサイドスタンド
といったところです。
サイドスタンドをアルミにして軽量化しているあたりは涙ぐましい努力ですね。(軽量化とはそういうものです)
SJ08J比で5Kg軽量化されていますが,その内3.5Kgがスイングアーム周りと,腰下の軽量化に成功しています。
どうしても,エンジンが500ccから530ccに排気量アップしてパワー上がったことに注目してしまいがちですが,変更点を見ると,ヤマハはシャーシ性能に重きを置いていることが良く分かりますね。
SJ08Jは,コーナーをハイスピードで攻めた時に,前後ピッチングが起きることが時々あったんですが,その辺は改善されているでしょうか?
短い周期で前後にブワンブワンと揺れるような感じで不快ですし,荷重が抜けた時にちょうど砂なんか踏んだら滑っちゃいますもんねぇ。(-_-;)
結果は,OKです!
流石ヤマハです!
ちゃんと弱点が分かってたんですね。
腰下の重量軽減に力を入れたことが効いているのだと思いますが,足周りがしっとりとして安心感と高級感が増しました。
タイヤをピレリのディアブロロッソスクーターに換えたので,新鮮タイヤだということも関係あるかも知れませんが,いずれにしても,このコーナリング性能は大満足です。(タイヤも魚も新鮮さが命!)(笑)
スクーターなのに,コーナーでワクワクできますよ。
あっ,スクーターじゃなくて「オートマティックスーパースポーツ」でした!
ヤマハさん失礼しました。(ー ー;)(笑)
そして,この大幅にアップしたコーナリング性能に,30ccアップのエンジン性能やFIやCVTのセッティング変更がマッチしていて,走りの総合性能がグンと上がっています。
SJ08Jの500㏄エンジンは,実は4,000~5,000rpmくらいにトルクの谷があって,普段は気にならないんですが,ちょうど40~60Km/hで走っている所からグワッと加速する時にじれったい感じがあったんです。(-_-;)
それがSJ092の530㏄エンジンは,コーナー出口でガバッとアクセルを開けた時に,右手と加速が完全にリンクするんですよ。(^ ^)v
じわじわと後から…とか,一呼吸おいて…とかでは一切なく,開けただけ前に進むこの感覚は,
マジでチョー気持ちイー!です。(笑)
そして,大径化されたリヤブレーキがまた秀逸なんです。

ローター大きいですよね!
(上部に付いている機械式キャリパーはパーキングブレーキです)
CVTでエンジンブレーキが効かない分,スピードを上げるとリヤブレーキを使う機会が多くなりますが,ガンガン使える安心感とジワッと効くリヤブレーキの性能がスポーツ走行にありがたいのです。
そして,レーサーがサーキットを走らない限り絶対にどこも擦らないであろうバンク角の深さ故に,リーンウィズやリーンアウトでわざとバイクを寝かせてコーナーを曲がれる余裕と,前後重量配分がほぼ50:50なので,あえてフロントに荷重をかける必要がないふところの深さ!
これぞまさにオートマティックスーパースポーツですよ!
(寝かせ過ぎるとセンタースタンドを擦るみたいです)(センタースタンドを見るとライダーの腕が分かる?)(笑)
こうなったら,ドゥカティのスーパースポーツを気取ってやれ!と思って,ホイールを赤に塗装しました。
業者に出して粉体塗装してもらいました。
結構金額が張りましたが,雰囲気ガラッと変わって,やって良かった!です。


カッコ良いでしょ?(自己満足)(笑)
元々のホイールの色は,カタログや写真で見ると黒に見えるんですが,実際はブロンズ色です。

これはこれで渋いんですが,
いかんせん地味なんですよね。
スーパースポーツなら地味路線よりも派手路線で攻めたいですよねぇ!
それに,ヤマハのホイールの塗装ってちょっと品質がいまいちで,剥げやすいし錆びやすいし,色が落ちちゃうことも多くて,ヤマハ車乗りの悩みの種なんですよ。(ー ー;)
粉体塗装で塗ったホイールは,塗膜が厚くて艶もあって強度も高くて,ホイールの塗装品質の悩み完全解消です!




マジでカッコ良くないですかぁ?
バイクいじり(チューニング)にも色々な方法がありますが,「色変え」は乗り手の気持ちを高揚させてやる気にさせることによって走行性能を上げる…とっても効果的なチューニングだと思います。
お勧めですよ!(ちょっと値段高いのが難点ですけど)
SJ08Jのリヤホイールの右側のこの棒(シャフト),気になっているオーナー多いかも知れません。

スイングアームとタイヤの間の空間が右側だけ異様に広くてなんかちょっと不格好というか,本当は何かつきそうなのに何もついていないという感じがして気になっちゃうんですよね。
SJ092ではホイールの右側にブレーキディスクがついていますので,この変な空間がなく棒(?)もなく、後ろから見た姿がとってもまとまっています。

ほらね。

左側もこんな感じ。それにしてもベルト太いですねぇ。
間延びした棒がないっていうだけなんですが,嬉しいポイントですね。(細かい点ですが…)(笑)
さて,国内仕様よりも少し音量の大きなノーマルマフラーの音はこんな感じです。
SJ08Jの日本仕様のノーマルマフラーとの比較になりますが,結構迫力あります!
ノーマルでも十分迫力あって,このままでも良いんじゃね?と一瞬(あくまで一瞬だけです)(笑)思いますが,やっぱりマフラーは換えたくなっちゃいますよね。
…ということで,こんなマフラーに換えてみました。



朝倉商事という日本の会社が造っているマフラーなんですが,ロングタイプが多いT-MAX用のマフラーの中にあって,珍しいショートタイプというところが気に入って買ってみました。(安いってこともありますが…)(笑)
カッコ良くないですかぁ?

こんなところを見ると,造りの丁寧さと手間のかけ方が,流石日本製!と思わせます。(日本以外の国の方すみません,日本人は細かい仕事が得意なんですよ)(笑)
音はこんな感じです。
爆音ではなく丁度良い塩梅の音量で,優秀なマフラーです。
車検対応ではありませんが,車検対応にするための申請をして値段が上がってしまうのであれば,このままで車検の時に交換すればまぁOKですね。(キャタライザーもちゃんと入ってますし)
T-MAXのマフラーは,フルエキにしては交換簡単ですので…。
マフラーを換えると,アクセルに対するダイレクト感が更に上がります。
抜けが良くなることももちろんありますが,音の効果も大きいように思います。
レースをする訳ではないですので,実際のパワーや実際の速さよりも,パワー感や速度感が大事ですよね。
走りが気持ち良ければOKっていうことです。
このマフラー,コストパフォーマンスも高いですし,かなり優秀です!
カッコ良いですし。


今回はこんなところに充電用のコードを忍ばせました。

ありゃ,お洒落!
それに充電し易い! (^ ^)v
ところで,T-MAXの購入を考えている人の中に,シルバーウイング600やスカイウェーブ650を比較対象として挙げる人が時々います。
そういう方に言いたいのは,シルバーウイングやスカイウェーブとT-MAXは全く別のジャンルのオートバイであるということです。
形がスクーターという点は共通なのですが,開発コンセプトも実際の性能も全く異なります。
シルバーウイングやスカイウェーブは,バンク角や前後重量配分などが語られることはまずありません。
大きくて重くてどかっとしていて足つきが良くて収納スペースが沢山あって,言うならばクルーザーのような性格です。
昔流行ったビクスクのもっと大きいバージョンという感じですね。
スーパースポーツを名乗っているT-MAXとは全く違うのです。
ビクスクが欲しいのにカッコ良いからという理由でT-MAXを購入してしまうと,ガッカリすることになりますのでご注意ください。
逆に,スポーツバイクと一緒にツーリングに行く機会がある方はT-MAX一択になります。
シルバーウイングやスカイウェーブでは置いていかれちゃいますものね。
T-MAXなら,ついていけるどころか逆にぶっちぎれます!(笑)
バイクは排気量が大きい方が速いと勘違いしている方々,色々乗ってみると良く分かりますよ。
まぁ,バイクの楽しみ方は人それぞれですし,何に価値を見出すかも人によって異なりますので,シルバーウイングやスカイウェーブに乗っている方を否定するつもりは全くありませんが,速く走ることやバイクでスポーツしたい人,コーナーを見るとワクワクする人には,断然T-MAXをお勧めします!
面白いですよ!

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